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あとがき [第14章 そして、明日へ]

最後まで読んでくださったみなさまへ!!!

1年半近く、ぽつりぽつりの連載に、気長におつきあいいただいて、
ほんとうに、ありがとうございました。

熱心に読んでくださっている、ひとつひとつのコメントに感激し、
コメントはなくても、日々のアクセスが少しずつ増えていったことで、
読んでくださっている方がいるんだなぁ、と、うれしい気持ちでいっぱいです。

このお話は、もちろん私がアタマのなかで創りだした空想の物語なのだけれど、
ねずとぶち子は、今日も元気にわが家のベランダで暮らしている、実在のベランダっ子がモデル。
だから、ほんとうの出来事をベースにしている部分もたくさんあります。

たとえば最初の章で、ねずが、小さなカラダからありったけの勇気をふりしぼって、金網フェンスを
よじ登り、さくらママが、その勇気を称えるかのようにベランダに迎えてやったシーンは、
ほとんど私が見たままの描写。 目の前で繰り広げられた猫たちのドラマは、
私の胸にしっかりと刻まれていて、いまでもありありと思い浮かべることができます。
・・・ そして、そのとき、いつかこの場面を書いて残してやろう、と思った。
それから数年が過ぎて、このお話が誕生したわけです。

物語の着想は、ねずが1歳を過ぎた頃の、ある日の出来事にさかのぼります。
その頃はまだ、わが家では犬が暮らしていて、ベランダ猫のねずは、
ほとんど部屋の中に入ってくることはなかったのだけれど、どうしたわけか、その日に限って、
私がベランダにゴハンを出そうと開けた窓のすき間から、ササッと部屋に駆け込んできて、
寝室のベッドの上に丸まると、そのままゴハンも食べずに眠りはじめたのです。

私が「ねず、ねず」って呼びかけても起きようとしないし、犬が騒いでもじっと丸まったまま。
具合でも悪いのか、と思ったけれど、とにかく、ただ丸まってこんこんと眠るねずを起こすのも
気の毒な感じがして、私はそのまま様子を見ることにしました。 ねずは、結局、半日以上
ずっと眠りつづけ、明け方になって、寝ていた私を起こして、ベランダに帰っていきました。

翌朝は、けろりとして、ぶち子といっしょにゴハンを食べ、ふだんと変わった様子などなかったねず。
・・・ あれは、一体、なんだったのだろう?
私はふと、猫にも思春期のゆらぎのような、そんな時期があるのじゃないかしら、と思いました。

 大人への扉を開けるとき、野っぱらで生きる猫だからこそ感じる、ナニか。
 命が生まれる、ということ。 そして、命はついえる、ということ。
 でも、まるで、途切れることのない水の流れのように、
 命は、天から滴り、大地をめぐり、海を満たし、やがて蒸発して、また天へ還る、ということ。
 そしてまた、この世界は、そんな、めぐる命のぬくもりで温められている、ということ。

おっちょこちょいで、お人好し(お猫好し?)で、おせっかいで、食いしんぼうで、
なんだか、ほんわかとあったかい女の子猫・ねずといっしょに、そんなこの世のことわりを
考えてみてもいいかなぁ、なんて ・・・ (^-^)

これは、ねずとぶち子という2匹の猫と出会い、そのあげくに、もっともっとたくさんの
野っぱらに暮らす猫たちと関わることになってしまった、私という人間の、心の物語でも、ある。
読んでくださった方は、ぜひ感想を。・・・ どんなコメントでも、いいから。
この物語を、引き出しの奥に眠らせておかずに、ブログで発表してほんとうによかった。
読者の方がいてくださる。。。それが、これほどにうれしいものだと、私ははじめて知りました。

さて、物語はおしまいになったけれど、このブログはもうすこし公開しておきますね。
また読みに来てくださる方や、もしかして、もう一度読んでくださる方がいるかもしれないから。
・・・そんな方のためにも、しばらくしたら、お話を最初から順に並べ直したいと思っています。

ねずとぶち子の「2回目の夏の物語」を書きたいと思って、大まかな着想だけあるのだけれど、
まだ、そのお話をカタチにしていく、時間的余裕も精神的余裕も、見つけられずにいます。
でも、いつか、書くことができたら、また読みに来てくださいね。

 のらん・筆

最後を飾って、写真を1枚 (^_-)
もうすぐ9歳になるベランダっ子たちだけど、いまでもホントに、なかよしなのです♪

atogaki.jpg


コメント(17) 
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コメント 17

ChatBleu

お話、とても面白かったです!
毎週楽しみにしていたので、終わってしまって残念。
先週も書いたけど、これ、絶対、本にできますよ。
作られた話とは思えないほど、あたりの光景とか、ねずちゃんの
心情とか、すごく上手に書かれていて感心しました。
by ChatBleu (2014-03-29 09:41) 

かずあき

おはようございます。
やっぱりこれは、ちゃんと書籍にすることが
一番のような。

我が家の主役、ニャンが、私の起床時から
6畳間の押入れのため更新できずに。午前7時過ぎに
お出ましになったので、アップ。
by かずあき (2014-03-29 10:26) 

こいちゃん

続きが読みたいです。
でもコレはコレで完結してるので本当に本にしてはいかがですか
ChatBleuさんも書いておられますし。
また時間のある時に、もう一度初めから読み返してみたいです。
by こいちゃん (2014-03-29 12:50) 

ニャニャワン

ありがとうございます。
うちの仔たちの我が家までの道のりを想像しながら
ヒトゴト?ネコゴト?と思えずに読ませていただきました。
ときどき、読み返したくなる本の一つになりそうです。
予約しますよ。
by ニャニャワン (2014-03-29 15:06) 

makimaki

読みました
by makimaki (2014-03-29 17:09) 

hiro

お疲れ様でした。
とても面白く、また感動できるお話でした。
ねずちゃんの成長がよく分かりましたし、最後になってぶち子ちゃんも成長していましたね。
せっかくですから、しばらくの間は公開なさっていた方が良いと思います。
次回作も楽しみにしています。
by hiro (2014-03-30 00:16) 

のの

いつも挿絵のような絵を頭に思い浮かべながら読んでました。
猫たちのキャラがはっきりしてて、面白かったですし
その分、シリーズとしてもお話を膨らませやすいんじゃないかなと思いました。
猫好きな人にも、猫をよく知らない人にもお勧めなお話ですね(^^)
続編も期待してます♪

by のの (2014-03-30 12:33) 

mito_and_tanu

とても幸せそうな二人の寝顔。いいですね!
うまれは別でも、ずっと仲良し、ずっと一緒。
9年間も幸せに暮らせたのは、のらんさんの愛の賜物ですね。
by mito_and_tanu (2014-04-16 22:35) 

ちぃ

とても素敵な物語を読ませていただいて本当にありがとうございます
泣いたり笑ったりしながら読ませていただきました
ねずちゃんもぶち子ちゃんも9歳なのですか、優しいのらんさんに
出会えてとても幸せなにゃんこですね(^-^)寄り添う姿がかわいいです
もう1度最初から読ませていただきますm(^-^)m
by ちぃ (2014-05-09 15:57) 

ぺぽママ

遅ればせながら、やっと完読!

のらんさんは、とことん生き物を愛し、命を愛する人ということが、私の心に波紋のように広がりました。

ブログも、物語も素晴らしい宝物ですね。

これからもずーーーっと続けてくださいね!
読ませていただき、本当にありがとうございました!
by ぺぽママ (2014-06-12 12:08) 

まる

読み始めたら止まらず、昨日の晩から一気に読ませて頂きました!感動で胸がいっぱいです。
地域猫や耳のカットの事など、知らなかったこともたくさんあり、勉強になりました。
そして、ねずとぶっちゃんが可愛くて仕方ないです!他の猫さん達も個性豊かでいい味出してましたね!
素敵なお話をありがとうございました!こんな素敵なお話を書けるのらんさんも本当に素敵です(*^^*)
by まる (2014-10-05 16:36) 

yumyumyum

素晴らしい物語をありがとうございました。ねずちゃんと一緒に私もはらはらどきどきしたり笑ったり泣いたりしてしまいました。他の皆さん同様いつか書籍にならないものかと思います。いつの日か再びねずちゃんとぶっちゃんに会える日を楽しみにしています。
by yumyumyum (2014-10-26 16:07) 

よいこ

読ませていただきました
いろんな子たちが登場してきて、出会いに思いを馳せました
素敵なお話ですね
by よいこ (2015-04-16 13:04) 

nachic

巧みな文章に、一気に読ませていただきました。
いろんな猫ちゃんとの交流があり、猫ちゃんたちに惜しみない愛情を注いでいる、のらんさんだからこそ書ける物語だと思います。読みながら、絵本にもできそうだなとか思いました。っていうか、絵が思い浮かぶような心豊かになる物語でした。ありがとうございます。

by nachic (2015-07-11 23:16) 

みいこ

のらんさんだから描ける物語ですね
ねずが勇気をふりしぼって、金網フェンスを登るシーンで頑張れと応援して
力がはいっちゃった(笑)
さくらママの優しさにも感動し涙でちゃた
なにより、そういう子達を優しく受け止める のらんさんの人柄がステキだよ
ペットショップで生体販売されてる動物を見て「欲しい」と子供が言ったら
若い母親が「高いからダメ」と答え愕然
沢山の人に読んでほしいわ とくに子供達によんでほしいな
のらんさんステキ!ますます好きになっちゃった←迷惑??\(゜ロ\)(/ロ゜)/
by みいこ (2016-08-19 12:31) 

マーヤ

あまりに面白くて、引き込まれて一気に読ませていただきました。
本当に感動しましたので、私の拙いブログで、ぜひ紹介させていただきたいと思うのです。私はよく自分が「今日読んだ本」として、
その本の表紙を撮影して、ブログに載せているのですが、
同様にのらんさん撮影のねずちゃんとぶち子ちゃんの画像を
載せさせて頂いてもよろしいでしょうか?
ご迷惑ならすぐに削除いたします。
本当にこのお話、出版して欲しいし、また続編が出ることを楽しみにしています。
by マーヤ (2017-09-16 23:52) 

ぼっこ

いっきに読みました。
胸が熱くなって涙が滲みました。
初めてのにゃん親子と関わり心揺れる毎日ですが
人間さまの手のひらを読ませて頂いて自分の未熟さを感じます。
人間さまと思い上がってはいませんが、にゃんを理解したさに
押しつけがましいところがあった気がしています。
踏み込んでは行けない領域をもっと学ばなければと思いました。
新たなにゃんの出現は頭が痛いところですが、大切な命を守る
手助けは続けたいと思います。捕獲器は胸塞ぐ思いもありますが
その子がこの地を我が居場所と定めたならば、手術を受けてもらわ
なければなりません。勇気を奮い立たせる事となるでしょう。
心に響く素晴らしいお話を聞かせて頂いて温かい想いに包まれています
ありがとうございました。
by ぼっこ (2018-03-10 22:15) 

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